(絵は、以下本文と関係ありません笑)
実を言いますと、大分前に観てはいたのですが、レビューするには何とも難しく躊躇していました。
主な要因としては、絵とストーリーについてです。
まず絵についてですが、この映画の予告編を見た時、個人的な絵の好みとして「古い感じ」がして、どうにも気が進みませんでした。
この辺は、言葉で表現するのが難しいのですが、登場人物の顔の描き方が昔の劇画マンガのように感じるのです。
私のようなゆとり世代の人間は、劇画マンガにはほとんど馴染みがなく、私はどうしても古くささがあって少し抵抗があったのです。
「作品が平安時代のものだから、古い表現でいいんじゃないの?」という意見もあるかもしれませんが、それにしても、マンガの記号(目など)が見られる時点でどうしてもある種の違和感が生じてしまいます。
もう少し記号から離れた絵にするとか、あるいは水墨画や日本画よりの絵にしていれば、そういった違和感はなかったのではないかと思いますがどうでしょうか・・・。
とは言え、あの絵が動くのですから相当の労力が要ったに違いありません。
規律正しくスムーズに動くのではなく、どことなくスローテンポであったり、早く見せるところでは荒々しく動いたりと、物語・絵柄に合った素晴らしいアニメーションだと感じました。
私は特に子供の重心が見えるような描写に感動しました。
さてさて、絵に関してはこのくらいにして、ストーリーの話をしましょう。
これを語るのを難しくしているのは「姫の犯した罪と罰」でしょう。
「姫の犯した罪って何?」という話ですが、これは諸説あるようでして、結局のところ何か分からないようです。
あと終盤、捨丸は妻子がいるにもかかわらず、かぐや姫と再会して、うんぬんのシーンは正直言って不快です。
以上のことがあってか、なんともレビューに困る作品だったのですが、面白い視点でこの作品が観れることが分かりましたので「これは是非とも書いておこう!」と思ったわけでございます。
それは何かと言うと、この話はつまり、秦氏と藤原氏の対立のお話だという視点です。
竹取物語は成立年は不明ですが、10世紀半ばまでには成立したとされています。
(以後はあくまで一つの見方です。また、話を分かりやすくするために簡略しています。間違っていれば教えて頂ければと思います)
大化の改新以後、秦氏は藤原氏に敗れ、地方へ追いやられました。
追いやられた秦氏は、賤民のような扱いを受けたかも知れません。百姓としての生活が出来なかった彼らは、山手などへ移り、竹細工などをして生計を立てた。
そんなところで生まれた「かぐや姫」を秦氏と考えた場合、自分たちを追いやった、いわば敵対関係にある藤原氏連中を許すはずはないでしょう。
物語では、5人の貴公子が求婚してきますが、姫がすべて断るのもこのためだと考えることもできます。
また、かぐや姫は月からやってきて、月へ帰るわけですが、これは秦氏は弓"月"君(ゆづきのきみ)を祖としていることから月がメタファーとして用いられているのかもしれません。
以上の見方は、にわか程度の知識で書いているので、間違っている可能性があります、、、汗
もし気になった方は、各々調べて頂いて、間違っていれば私の方にもご一報いただければと思います。
それでは今日はこのへんで!
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