カレー談義(詳しくは「続きを読む」をクリック)

カレーの話だ。

カレーの、ルーとご飯の比率の話だ。

以前、友人とカレーを食べていたとき「お前、そのペースじゃご飯だけになるじゃん!」と言われた。

「そんなはずないっ!」と私はその後も自分のペースを崩さず、実際食べ終わる頃には帳尻はあっていた。



しかしそれ以降、カレーを食べる度にどうにも友人に言われたことが頭をよぎる。

よくよく考えてみると、とても奥が深いことが分かった。

そもそも、食べるペースなど人それぞれで、私にはちょうどいい計算で進んでいたつもりでも、他人から見れば「ご飯過多だ!」と思われることもあるだろう。




最初に出されるときの比率の状態も重要だ。

お店で食べるカレー、家で食べるカレー、自分以外の人がついだカレーは、必ずしも自分の理想の比率になっているはずはない。

ルーが7で、ご飯が3を理想とする人もいれば、6対4、半々、いや。ご飯が7でルーが3だと言う人もいるかもしれない。

さらに、一見するとルーが7でご飯が3のようでも、ご飯の盛り(高さ)を考慮すれば、その比率は実は半々ということもあろう。

その上、具の問題もある。

ハンバーグや、カツなんか乗っていたら、そりゃもうあなた。

彼らに割いてやる分のご飯のことも考えなきゃいかん。


ほら、みろ。考えれば考えるほど、カレーを追えば追う程に、その妙の深さにはまる。




ちなみに私の理想は、半々だ。しかし、ご飯の5分の1程にルーがかかっていて、真上から見るとその比率が6対4(ルーが6)になっている、という小技を効かせたものである。であるってなんだ。



さて、つい先日、件の友人とカレーを食べに行った。

比率について話すのは上にも書いたとおり非常に曖昧になってしまうが、私の目には、ルーが3でご飯が7くらいに見える希少なパターンに出くわした。


「これは、どうだろう?」と思いながらも、私も真摯。


私は最初、自分の土俵に持っていく必要があると考えた。

つまり、序盤にご飯を多めに消費して半々に持っていく戦法である。


そんなこんなで食べようとした時、また、ふと友人のあの一言が頭をよぎった。



「やはり私の食べ方は偏っているのかもしれない」

「理想の食べ方とは?」


私は、自分の土俵にもっていくことをやめた。

これからすくうスプーン一杯、一杯に、小宇宙を再現し、この小宇宙の中に大宇宙をみようと。









半分ほど食べたころ、友人が言った。


「やっぱり、お前のペースおかしい!」






私は。

小宇宙を。

大宇宙を見失った。

 

 

 

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